子どもたちにスポーツを通じて学んでほしいこと
僕は教育やマネジメントにおいて、動機付けをとにかく大事にしています。それはスポーツとの関わりにおいても同じです。
僕はバスケットボールのプレイヤーとして、コーチとして、いろいろ経験してきました。うちの子どもがバスケットをやってくれれば、お父さんとしては一緒に楽しめるし、深い部分まで教えられるからうれしいけれど、別にどのスポーツでも構わない。何か打ち込めるスポーツができればいいなと思っています。
うちの子に限らず、子どもたちにどのようにスポーツに関わってほしいか。バスケットで言うと。
まずは、「バスケットが楽しい」と思えること、これが大事です。バスケットが楽しいからこそ、もっとうまくなりたいと思える。自分から体育館へ行こうと思える。だからうまくなる。まずは「楽しい」と思えることに尽きるんです。
じゃあどうしたら楽しいと思えるか。変な言い方ですが、「とにかく楽しませること」です。基礎体力が大事だからと言って、ランニングばかりさせてもつまらない。子どもは嫌になります。例えば僕はこういうのをやります。「ボールを10回ぽんぽんぽんと付くよ。誰が一番早いかな?」と競争させ、「次は5+3回だよ」、「次は15-2回だよ」とちょっとした計算を混ぜてみる。そうすると子どもは食いつきます。わけもわからず、ドリブルが少しできるようになります。
そうしたら、次は「ボールをダムダムしながらあっちの線まで走るよー」ができる。当然そこには走る動作も加わる。自然と基礎体力も付いてくる。こういう流れです。
楽しくなると、どんどんうまくなりたいと思えるんです。そんな流れで、例えば一流選手のビデオを見せる。時にはコーチがカッコいい技術を見せる。すると子どもは「かっこいい~」となり、自分もできるようになりたい、と思います。
楽しいし、自分で動機をしっかりもっているから、自分から練習します。だからうまくなれます。親にやらされていたんじゃダメです。コーチが怒鳴り散らしてるのもダメです。バスケットが嫌いになります。コーチは、子どもがうまくなろうと努力するのをそっとサポートするだけでいいんです。
そうやって子どもが自発的に伸びようとしていけば、どんどん運動量も増えます。自然に体力も付きます。まずは基礎体力だといってマラソンばかりさせる指導は、僕は違うと思います。また、上達していることは子ども本人でもわかることもありますが、コーチがそれに気づかせてあげるのも大事です。上達の喜びを知ると、もっともっとうまくなりたいと思えるんです。
そして、スポーツには勝ち負けがあります。勝ち負けは試合だけでなく、練習でもあるし、友達とどっちがうまいかを競うことも多々あります。そんな勝ち負けのやりとりを通じて、勝つ喜び、負ける悔しさを学び、もっと勝てるように、次は負けないように、もっと練習するんです。
そうやって一生懸命打ち込んだその情熱、上達する喜び、勝つことの嬉しさ、負けることの悔しさ、チームワーク…いろんなことが経験できます。それが、かけがえのない思い出にもなり、自信にもつながります。もちろん身体も丈夫になります。
うちの子たちにも、スポーツの楽しさを学んでほしい。
基礎体力をつけていってほしい。
上達の喜びを感じてほしい。
勝つことの嬉しさ、負けることの悔しさを知ってほしい。
喜びや悔しさを分かち合えるチームメイトを得、チームワークを学んでほしい。
そして、スポーツの奥深さを知るようになると、きっとその分野の一流アスリートのメンタルからも学ぶことがあるはず。
そうしてスポーツと関わっていけば、そのスポーツは一生キミの大好きなスポーツになるよ。
お父さんがバスケットをずっと愛し続けているようにね。